『テイク・シェルター』を見た感想。妄想に憑りつかれて異常行動をしてしまう人の苦悩を描いた映画

テイク・シェルター (字幕版)

今日はポテチを片手にDVD鑑賞。

 

テイク・シェルター(2012年ジェフ・ニコルズ)を見ました。

結構面白かったので感想を書きたいと思います。ネタバレあり

主人公の異常行動と周りに理解されない苦しみ

妻と子供と3人暮らしのごく普通の男性が、「大規模な嵐がくる!」という妄想に憑りつかれて徐々におかしくなっていく...というお話です。

 

平和に暮らしていた主人公の男性は、ある日急に悪夢を見るようになります。愛犬に襲われたり、大規模な嵐に見舞われたり、オイルの雨が降ってそれを浴びた人々が狂ったり、娘がさらわれたり、、、と、微妙に嫌な夢を見る。

そして大規模な嵐に備えて、シェルター作りに没頭するように。その行動はエスカレートしていき、妻や周りの人々から「あいつやばい...」と思われるようになっていきます。

備えあれば憂いなし!という言葉がありますが、それでも周りの人間が急に異常なまでの備えをしだしたらちょっと心配になるかも...

 

主人公も自分がおかしいのはわかっているけれども、どうしようもなく苦しんでいる。その心理描写というか主人公の緊張感がすごく伝わってきて、心苦しいです。悪夢に悩まされ、災害が起こるのではないかという恐怖が常に付きまとい、それでも他人は「普段通り」にすることを求めます。

あいつおかしい...とみんなから後ろ指さされ、最愛の家族にも迷惑をかけている、けれど自分ではどうしようもない恐怖からシェルター作りをしてしまう。主人公は「自分は統合失調症ではないか、、、」と病院に行くも、治らない。

 

主人公がチャリティー食事会でついにブチ切れて「大きな嵐がくるっていってんだろうがぁぁ!!!オレが狂ってるっていうのか、え!?!?!?!?!?お前らはベッドでゆっくり寝ればいいさ!!!!嵐がきたらそんな風に寝る事ができなくなるからなぁ!!!!!(バーンと机ひっくり返し)」的な感じで怒鳴り散らかして、ふっと我に返って周りの怯えた目線、やばい奴を見る目つきに気づいて、妻にもたれ掛かって泣くというシーンが印象的でした。

 

本当に嵐がきて、シェルターで一晩過ごす

実際に嵐がきて、シェルターに逃げ込むシーンが好きです。

皆に馬鹿にされながら作った地下シェルターがついに活躍。食料も電気もガスマスクも準備万端!

主人公は予知能力があったのか?と思いますが、実は普通の嵐で一晩したら収まっていた...というオチ。

 

思わず見入ってしまう、演技のうまさ

なにより俳優さんの演技が上手く、ずっと見入ってしまいました。

音楽もほとんどなく、セリフも少ない映画ですが、俳優さんの表情・仕草でキャラクターの心理状態がすごく伝わってきます。

 

大嵐がきてシェルターに逃げる的なパニック映画かな?と思われがちですが、全然そんなことはなく「妄想に憑りつかれるという精神疾患を患ってしまった人の苦悩」を描いた映画でした。

 

今まであまり見たことのないジャンルでしたが、とても面白い映画でした!